年齢に負けない!セックスレスを解消する3つの習慣

腕を組んでいる男性と向かい合う女性

はじめに:なぜ40代からセックスレスが増えるのか?

老化と心の余裕

40代を迎えると、仕事でも家庭でも責任が重くなり、自由な時間や心の余裕が減ってきます。それに加え、男性ホルモン(テストステロン)の分泌量も徐々に減少し、性機能にも変化が出始める年代です。にもかかわらず、性欲そのものは残っているため、心と体のギャップに戸惑う人も多いでしょう。

1年以上のセックスレスの割合が男女ともに40%以上

実際、「第4回 ジェクス・ジャパン・セックスサーベイ2020」では、過去1年間に性交渉がなかったと回答した男女の割合は、男性で41.1%、女性では49.5%と、非常に高い数字になっています(※1)。さらに、性交渉の頻度が「月に1回未満」あるいは「まったくない」と答えた人は、30代後半から増加傾向にあることもわかりました。

セックスレスの原因

なぜセックスレスになるのか。その理由は性欲の低下だけではありません。調査によると、男性側の主な理由には「仕事で疲れている」「勃起や中折れなど性機能への不安」「パートナーの気持ちがわからない」といった心身のストレスが挙げられています。一方、女性側では「その気になれない」「パートナーに不満がある」「性の話がしにくい」といった心理的な壁が大きいのが現状です。

つまり、セックスレスの背景には、身体的な変化とコミュニケーションの不足が複雑に絡んでいます。筆者自身も、30代間近になってからこの問題に直面しました。彼女との仲は悪くないのに、気づけばセックスが減り、誘っても断られ、性について話すことも気まずくなっていったのです。

セックスレスの解消経験

しかし、ある3つの習慣を取り入れることで、私たちの関係は徐々に回復していきました。それは、特別な知識や技巧を必要としない、ごくシンプルな「日常の工夫」だったのです。

この記事では、科学的な根拠と筆者の実体験をもとに、セックスレスを改善するための3つの習慣をご紹介します。年齢に負けず、再びパートナーとのつながりを取り戻したいと願うあなたにこそ、最後まで読んでいただきたい内容です。


習慣①:体力と性機能を取り戻す「週3の軽運動」

セックスレスの根本には、「体がついてこない」という問題があります。性欲はあるのに、途中で萎える、中折れする、そもそも勃起の反応が鈍い――。これらの悩みは、加齢だけが原因ではありません。最大の要因は“運動不足”です。

実際、アメリカのハーバード大学が行った研究では、週3回以上の運動を習慣にしている男性は、勃起不全のリスクが約30%低いという結果が出ています(※2)。また、軽い有酸素運動や筋力トレーニングによって、男性ホルモン(テストステロン)の分泌が促されることも、複数の論文で確認されています。

筆者自身も、30代が近づいてから中折れが増え、彼女との関係にも影響が出ていました。焦りを感じ、まず始めたのが「毎日の散歩」と「自宅でできるスクワット」でした。特別な器具もジムも必要ありません。1日15〜20分の運動から始め、2ヶ月経つ頃には朝の勃起が安定し、性的な自信も少しずつ戻ってきました。

特におすすめなのが「下半身中心の筋トレ」と「軽めの有酸素運動」の組み合わせです。下半身の筋肉は骨盤周りを支え、血流改善にも効果的。血流がよくなれば、当然、勃起力にも好影響を与えます。

さらに運動は、性機能だけでなく「気持ちの余裕」にもつながります。体を動かすと、ストレスホルモンが減少し、リラックス効果のあるエンドルフィンが分泌されます。これにより、パートナーに対するイライラや不満も減り、穏やかなコミュニケーションが生まれやすくなるのです。

忙しくても継続できるコツは、「無理なく続けられる時間帯」と「習慣化」です。たとえば、通勤時に一駅分歩く、風呂前に5分だけスクワットするなど、生活の一部として取り入れると続きやすくなります。

体力と性機能はリンクしています。そしてそれは、40代でも取り戻せる。まずは今日、軽い運動から一歩踏み出してみてください。あなたの身体は、想像以上に応えてくれるはずです。

習慣②:信頼と興奮を両立させる「対話の時間」

セックスレスに悩むカップルの多くは、「性欲が減った」「タイミングが合わない」などの表面的な理由を挙げがちです。しかし実際には、“心のつながり”が希薄になっていることが、深層の原因になっていることが少なくありません。特に長く付き合っているカップルほど、日常の忙しさの中でコミュニケーションが形式的になり、気づかぬうちに「気持ちの交流」が失われていきます。

ドイツの大規模調査によると、交際から1年を過ぎると性的満足度が徐々に低下していく傾向があることが報告されています(※3)。しかし同時に、パートナー間での親密な会話や健康的な関係性を維持しているカップルは、時間が経っても性的満足度を高く保っていることも明らかになっています。つまり、対話こそが信頼と興奮の両方を支える土台になるのです。

特に女性にとって、性的なスイッチは視覚的な刺激や雰囲気よりも、「理解されている」「大切にされている」と感じることから始まります。言い換えれば、セックスはベッドの上だけで起きるものではなく、日常の会話の中でも始まっているのです。

筆者が取り入れて効果を実感したのは、「夕食後のゆっくりタイム」です。テレビもスマホも消して、お茶でも飲みながら、その日感じたことや印象に残ったことをただ話す。それだけです。重要なのは“アドバイス”や“正論”ではなく、“共感”すること。「そうなんだ」「それって大変だったね」と彼女の気持ちに寄り添う言葉を投げかけるだけで、会話の質は大きく変わります。

最初はぎこちなくても、続けるうちにお互いがリラックスできる時間になり、笑顔やスキンシップが自然と増えてきます。セックスの回数を増やそうと焦るよりも、まずは「話す時間」を増やすこと。そうすることで、信頼と興奮がゆっくりと、しかし確実に戻ってくるのです。


習慣③:興奮を呼び戻す「小さな刺激の積み重ね」

セックスレスの長期化には、「刺激の不足」も深く関係しています。付き合いが長くなればなるほど、関係は安定し、安心感は増しますが、同時に“ドキドキ感”や“性的な高揚”は徐々に薄れていきます。これは悪いことではありませんが、セックスという視点では、刺激の欠如が欲求の減退につながるのです。

性的な興奮には、心理的な要因が大きく関与しています。特に女性は、ちょっとした日常のやり取りや雰囲気、触れ合いの中に“スイッチ”が隠れています。たとえば、朝出かける前に優しくキスをする、洗い物中に後ろから軽く抱きしめる、外出先でさりげなく手をつなぐ――こうした小さなスキンシップが、心と体を近づけるスイッチになっていきます。

これは科学的にも裏付けられており、スキンシップによって分泌されるオキシトシンというホルモンは、「信頼」と「愛情」、「安心感」を生み出すだけでなく、性的なつながりにも良い影響を与えることがわかっています。

筆者自身、セックスレスの最中に試したのが「毎日1つ、彼女に“触れる”アクションを意識する」ことでした。最初は軽く肩をさわる、足をくっつける程度でしたが、1週間もすれば彼女の反応が変わり、スキンシップが自然に戻ってきたのです。その延長で、性的な雰囲気にも無理なく入れるようになりました。

また、マンネリ打破のために、環境やシチュエーションを変えるのも有効です。旅行に行く、少し雰囲気のあるホテルに泊まる、ベッド周りの照明を変える、香りを取り入れるなど、五感に新鮮さを与えるだけで、「非日常」がスイッチになります。さらに、お互いに好奇心があれば、アダルトグッズやランジェリー、簡単なロールプレイなども良い刺激になります。

大事なのは、「無理やりセックスに持ち込もうとしないこと」。小さな刺激を日常に散りばめることで、自然に心と体が近づき、“もう一度求め合う関係”が育っていきます。愛情は、意識して注ぐことで形を変え、再び燃え上がる――それを実感できるのが、この習慣の力です。

よくある失敗とその対処法

セックスレスを解消しようと意気込む中で、実は多くの男性が「逆効果の行動」をとってしまい、かえって関係が悪化してしまうことがあります。良かれと思った行動が裏目に出る――これは非常によくある失敗です。ここでは、よくある3つのパターンとその対処法をご紹介します。


失敗①:頑張りすぎて空回りする

セックスレスを何とかしようと、急に筋トレを始めたり、花を買ってきたり、旅行を提案したり……。その姿勢は素晴らしいのですが、「急にどうしたの?」と警戒されてしまうケースが意外と多いのです。特に女性は、変化に敏感です。唐突な優しさやスキンシップは、時に不信感すら抱かせてしまうことがあります。

対処法:変化は“徐々に”が鉄則。特別なことよりも、「いつもより5分長く話す」「出かけた先で自然に手をつなぐ」など、日常の延長線上でできる変化から始めましょう。


失敗②:女性を“変えよう”とする

「どうしてしたくないの?」「女として終わってるんじゃないの?」などといった発言は絶対NG。これらは相手を責めるだけでなく、関係を一気に冷却させます。また、「前みたいにもっとしてよ」と過去を引き合いに出すのも逆効果。相手の変化を受け入れられない姿勢が、距離を生む原因になります。

対処法:相手を変えようとするのではなく、自分がどう変わるかに意識を向けるのがポイント。たとえば、「最近会話が減ってるね、もう少し話せたら嬉しいな」など、自分の気持ちを伝える形で歩み寄りましょう。


失敗③:「性の話をするのが恥ずかしい」と避ける

セックスに関する話題は、たとえ長く付き合っていても気まずく感じるものです。とはいえ、それを避け続けていると、ますます誤解やすれ違いが広がっていきます。多くの男性が、「何も言わなければそのうち戻るだろう」と沈黙を選びがちですが、実際には話し合いがない限り状況は変わりません。

対処法:いきなり“性の話”をするのではなく、まずは「関係性」についての会話から始めるのがおすすめ。「最近スキンシップが減ったね。寂しいな」など、柔らかく、自分の気持ちを伝えることが第一歩です。


セックスレスは、「性の問題」だけでなく「心の関係性」や「コミュニケーションの習慣」によって生まれます。そして、多くの失敗は、“焦り”や“正解を急ぐ気持ち”から生じています。

大切なのは、“相手と丁寧に向き合う姿勢”。失敗は誰にでもあります。だからこそ、試行錯誤しながら少しずつ、2人のペースで関係を修復していくことが、最も確実な道なのです。

まとめ:セックスは努力で取り戻せる「関係性のリトレーニング」

セックスレスは年齢のせいでも、相性のせいでもなく――「関係性の変化」によって生じるごく自然な現象です。だからこそ、それを責めたり、諦めたりする必要はありません。

この記事では、筆者自身の体験をもとに、年齢に負けずセックスレスを解消するための3つの習慣をご紹介してきました。

  • 週3回の軽い運動で体力と性機能を回復
  • 毎日の対話で信頼と興奮の土台を築く
  • 小さな刺激の積み重ねでドキドキを呼び戻す

これらはどれも、特別なスキルや劇的な変化を必要としない「誰でも今日からできること」です。

筆者も30代目前で、彼女とのセックスが途絶えた時期には、大きな喪失感と焦りを感じました。でも、努力を重ねる中で気づいたのは、セックスは性の問題ではなく、関係性のリトレーニングだということです。体力を整え、心をつなぎ、日常にちょっとした刺激を加える。それだけで、またお互いを「男と女」として意識し直すことができるのです。

年を重ねたからこそ、深く味わえる関係があります。安心と信頼の上に、“大人のセックス”という豊かで成熟した楽しみを取り戻すことは、誰にだって可能です。

彼女と死ぬまでSEXを楽しみたい――そんな想いがあるなら、今日から小さな一歩を始めてみてください。その一歩が、あなたの未来を確実に変えてくれます。

参考文献:

※1:一般社団法人日本家族計画協会(2020)『〖ジェクス〗ジャパン・セックスサーベイ2020 調査報告書』
https://www.jfpa.or.jp/pdf/sexservey2020/JexSexSurvey_all.pdf
※2:Rosen, R. C., & Althof, S. E. (2023). The Evolution of Sexual Satisfaction Across the Lifespan. Journal of Sexual Medicine, 20(12), 1369–1377.
https://academic.oup.com/jsm/article/20/12/1369/7301709?login=false

※3:Schmiedeberg, C., & Schröder, J. (2016). Does Sexual Satisfaction Change With Relationship Duration? Archives of Sexual Behavior, 45(1), 99–107.

https://doi.org/10.1007/s10508-015-0587-0