セックスレスになりにくい女性の特徴を科学的に解説

オフショルダーを着た笑顔のヨーロッパ人女性

はじめに

「結婚したらセックスがなくなるんじゃないか…」そんな不安を抱えていませんか?
実際、日本では既婚者の約半数がセックスレスというデータもあり、愛し合っていたはずの二人が、なぜか“触れ合わなくなる”現実が存在します。けれど、全ての夫婦がそうなるわけではありません。実は、セックスレスになりにくい女性には、科学的に裏付けられた明確な特徴があるのです。
本記事では、5本の査読済み論文をもとに「一生愛し合える女性」を見極めるための条件を、心理・性行動・健康の観点から徹底解説。結婚後もセックスを楽しみたいあなたにとって、将来を左右する“目のつけどころ”が明確になります。読むほどに理想のパートナー像がクリアになるはずです。


セックスレスになりにくい女性の共通点とは?

セックスレスを避けたいなら、「どんな女性を選ぶか」は非常に重要です。
単に見た目や性欲の強さで判断してしまうと、結婚後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することにもなりかねません。

ここでは、科学的に裏付けられた“セックスレスになりにくい女性”の4つの共通点を紹介します。
これらの特徴を持つ女性は、長期的にもパートナーとの性の関係を大切にする傾向があります。


性的自己効力感が高い女性

まず注目すべきは「性的自己効力感」です。これは、自分が性的な状況に対して自信を持ち、適切に振る舞えるという感覚を意味します。

Kamalak et al. (2023) のランダム化比較試験(n=164)では、性的自己効力感が高い女性は、性生活の頻度と満足度が有意に高いことが示されました(P < 0.001)。

このような女性は、自分の欲求を恥ずかしがらずに認識し、パートナーに共有することができます。
受け身ではなく「性のコミュニケーション」を積極的に取れるため、セックスレスになりにくいのです。

たとえば「今日はこういう触れ方が好き」「もっとこうしてほしい」と伝えることができる女性は、パートナーとの性的関係を建設的に続けていける可能性が高いです。


性的行為に積極的で頻度が高い

次に挙げるのは、性行為の頻度の高さです。
ただし、ここで言う「頻度」は、単なる性欲の強さではありません。あくまでパートナーとの愛情表現としての性行為に前向きであることが重要です。

佐々木 & 森(2023)の調査では、「挿入を伴う性行為の頻度」が夫婦の関係満足度に強く影響していることがわかっています(β = 0.485, p = 0.001)。

性交渉が定期的にあるカップルは、お互いの身体的・精神的なつながりが強まり、信頼関係が深まりやすいというデータもあります。

こうした女性は、日常的なスキンシップも含め、身体を通じて愛情を伝えることを自然に受け入れている傾向があります。


パートナーとの性に前向きな感情を持っている

セックスは単なる行為ではなく、**“パートナーと一緒に過ごす感情的な体験”**でもあります。

佐々木 & 森(2023)の同調査では、「性に対する前向きな感情」が性生活の質に大きく影響していることも明らかになりました(β = 0.277, p = 0.001)。

ここでのポイントは、「性欲の強さ」ではなく、「パートナーとのセックスにどれだけ意味を感じているか」。

たとえば、「あなたと一緒だから気持ちいい」「つながっていたいからしたい」という感情をもてる女性は、長く関係を続ける上で非常に重要です。

こうした感情があると、性行為が単なるルーティンにならず、関係性を温め続ける要素になります。


生活満足度が高い

最後に意外かもしれませんが、「性生活」と「生活全体の満足度」は密接に関わっています。
人生全体に対する満足度が高い女性ほど、性行動も安定しており、パートナーとの関係性も良好に保ちやすいのです。

佐々木 & 森(2023)の研究では、生活満足度が性生活の質に有意な影響を与えることが明らかになりました(β = 0.178, p = 0.018)。

幸福感が高い人はストレス耐性もあり、自分の感情をうまくコントロールできるため、性に関する問題にも柔軟に対処できる傾向があります。

日常的にポジティブで、自分の人生に満足している女性ほど、パートナーに対しても肯定的な関係を築きやすいのです。


このように、「セックスレスになりにくい女性」には、科学的に裏付けられた明確な心理的・行動的な特徴があります。
次章では、こうした傾向をさらに深掘りし、「どんな女性が性欲を持続させやすいのか」を見ていきましょう。


性欲低下を起こしにくい女性の心理・生理的背景

結婚後のセックスレスには、「性欲の減退」が関係しているケースも多くあります。
ここでは、女性が性欲を持続しやすい心理的・生理的な特徴を、最新の科学的知見から解説します。


性的欲求低下障害(HSDD)とは?

まず理解しておくべきなのは、「性的欲求低下障害(HSDD)」という医学的な概念です。
これは単に“性欲がない”というレベルではなく、性への関心が著しく低下し、それに本人が苦痛を感じている状態を指します。

Ronghe et al. (2023) のシステマティックレビューでは、HSDDの原因は「生物学的」「心理的」「社会的」な3つの要因が複合的に関係していると報告されています。

  • 生物学的要因:ホルモンバランスの乱れ、閉経、疾患など
  • 心理的要因:ストレス、不安、自尊心の低さ
  • 社会的要因:パートナーとの関係、文化的な性に対するタブー

HSDDは誰にでも起こりうる問題ですが、背景を理解していれば予防も可能です。


性にオープンでストレス耐性が高い女性

HSDDを回避しやすい女性の特徴として特に注目されるのが、性に対してオープンであり、ストレスへの耐性が高いことです。

Rongheらのレビューでは、性に対する罪悪感や否定的な感情を持つ女性ほど、性欲が低下しやすい傾向があると指摘されています。
逆に、文化的・宗教的な枠にとらわれず、自分の性を受け入れている女性は、年齢を問わず性欲を維持しやすいのです。

また、ストレスが多い環境では性欲が抑制されやすくなります。ストレス耐性が高い女性は、自律神経の安定やホルモン分泌の面でも性欲が保たれやすくなります。

性にポジティブで、日常のストレスをうまく処理できる女性は、性的なつながりを大切にし続ける傾向があります。


年齢を重ねても性欲を維持する女性の特徴

「女性は年齢とともに性欲がなくなる」と思い込んでいませんか?
実際には、年齢を重ねても性的関心を保ち続ける女性は多く、その背景には明確な要因があります。


閉経後でも性欲を維持する人の共通点

Davis et al. (2008) の大規模なランダム化比較試験(n=814)では、テストステロンを投与された閉経後の女性たちが、性的欲求や性的満足度の頻度において有意な改善を示したと報告されています(P < 0.001)。

これは、女性にとっても性欲がホルモンと密接に関連していることを示す重要なエビデンスです。

もちろん、すべての女性がホルモン治療を必要とするわけではありませんが、「性欲は失われるものではない」という視点は大切です。

性欲を維持している女性たちは、ホルモン変化に対して受け身になるのではなく、知識と選択肢を持って行動している傾向があります。


必要な治療・サポートを受ける柔軟性

年齢を重ねても性生活を大切にしたいなら、体や心の変化を正しく理解し、必要に応じて専門的なサポートを受ける柔軟性が重要です。

Davisらの研究でも、治療を受け入れる姿勢があるかどうかが、性生活の満足度に影響していることが間接的に示唆されています。

また、「年齢=性の終わり」という価値観に縛られず、自分らしい性生活を築こうとする意志のある女性は、年齢に関係なくパートナーとの性的関係を維持しやすいのです。

柔軟な価値観と行動力が、年齢を超えて性的親密さを保つ鍵になります。


カップルとして継続的に性交渉できる関係性とは?

ここまで「セックスレスになりにくい女性の特徴」や「性欲を維持する心理・生理的要因」について見てきましたが、
実際にセックスレスにならずに長く性生活を楽しんでいるカップルには、**共通する“関係性の特徴”**があります。


高齢カップルの性交頻度と満足度

Pio et al.(2023)が実施した266組の高齢カップルを対象とした横断研究では、興味深い結果が得られています。
この研究では、「年齢を重ねた後でも性生活を継続しているカップル」において、以下の3つの要因が性交頻度に有意な影響を与えていたと報告されています。

  • 女性の性機能が良好であること
  • 女性側が現在の性生活に不満を抱いていないこと
  • 男性側が自身の健康維持に積極的であること

特に注目すべきは、「男性側の健康意識」が性交渉の頻度に与える影響です。
つまり、どちらか一方だけが頑張ってもダメということ。性生活を維持するためには、カップルの“双方”の努力と理解が必要なのです。

長く性交渉を続けられているカップルには、「お互いの心身の健康を支え合う文化」が根付いていると言えるでしょう。


お互いの健康と信頼が鍵

性生活を続けるうえでの“潤滑油”となるのが、性に関するオープンなコミュニケーションです。

「今夜どうする?」というような軽い話題から、「最近ちょっと物足りない」といった気持ちまで、素直に話し合える関係性は、性の頻度と満足度を共に高めます。

また、心身の健康を維持する生活習慣も重要です。

  • 栄養バランスの良い食事
  • 質の高い睡眠
  • 適度な運動
  • 心のストレスをためない習慣

これらの要素が整っていれば、性的欲求や身体的な反応が自然と高まる土台が作られます。

セックスレスを回避するために、「性」の話だけに目を向けるのではなく、日常の“生活の質”を高める視点が重要なのです。


つまり、「セックスレスになりにくい女性」と出会うこと以上に、「パートナーとどう関係を築いていくか」も同じくらい大切です。
次章では、この記事で紹介してきた科学的根拠をもとに、理想の女性を見極めるための具体的な視点をお伝えします。


まとめ:セックスレスを防ぐ「選び方と育て方」

「結婚したいけど、セックスレスになったらどうしよう…」
そんな不安を抱える男性にとって、性的な相性の良い女性を見極めることは、人生において非常に重要な選択です。

これまで紹介してきた科学的根拠から、「セックスレスになりにくい女性」には明確な特徴があることがわかりました。
ここでは、出会いの段階で意識すべき視点と、関係を長続きさせるための心がけを整理しておきましょう。


科学的にわかる「セックスレスになりにくい女性」の条件

  • 性的自己効力感が高い(自分の性に自信を持ち、主体的に関われる)
  • 性行為に前向きで、頻度や満足度を重視している
  • パートナーとの関係性を大切にしている
  • 生活全体の満足度が高く、心身ともに健康志向

これらの要素は、単に「性に積極的かどうか」だけではなく、人生観・価値観・ストレス対処力にも深く関係しています。


出会いの段階で注目すべき3つの視点

1. 性に対するオープンさ

性の話題を避けず、自然に会話できるか。
自分の欲求や感情を正直に表現できる女性は、パートナーと性の問題を共有しやすく、レス状態に陥りにくい傾向があります。

2. パートナーとの関係性重視の価値観

「性は愛情の表現である」と考えている女性は、関係の満足度を保つために性を大切にする傾向があります。
単なる肉体的欲求ではなく、感情的なつながりを求めているかに注目しましょう。

3. 自己肯定感とライフスタイルの充実

自分の人生に満足している女性は、性欲も安定しやすい傾向があります。
仕事、趣味、人間関係が整っているか? 一緒にいてポジティブな空気を感じられるか? といった点が判断基準になります。


結婚後も互いに努力し続ける重要性

どれだけ相性の良い女性と結ばれても、**関係は“育てるもの”**です。
性に関するコミュニケーションを怠らず、心身の健康を支え合う習慣を持てるかが、セックスレスを防ぐ最大のポイントです。

理想の女性を選ぶ「目」、そして関係を育てる「姿勢」。
どちらも揃ってこそ、死ぬまで愛し合えるパートナーシップが築けるのです。

参考文献(References)

  1. Kamalak, H., Turgay, A. S., & Duman, N. B. (2023). The effect of motivational interviewing on sexual quality of life and sexual self-efficacy in postmenopausal women with sexual dysfunction. Menopause, 30(5), 512–519. https://doi.org/10.1097/GME.0000000000002418
  2. 佐々木, ひろ子., & 森, 明子. (2023). 生殖年齢にある女性の性のQOLと関連要因. 日本性科学会雑誌, 41(1), 43–52. https://member-site.sexology.jp/archives/13525
  3. Ronghe, V., Pannase, K., Gomase, K. P., & Mahakalkar, M. G. (2023). Understanding Hypoactive Sexual Desire Disorder (HSDD) in Women: Etiology, Diagnosis, and Treatment. Cureus, 15(11), e49690. https://doi.org/10.7759/cureus.49690
  4. Davis, S. R., Moreau, M., Kroll, R., Bouchard, C., Panay, N., Gass, M., … & Braunstein, G. (2008). Testosterone for low libido in postmenopausal women not taking estrogen. The New England Journal of Medicine, 359(19), 2005–2017. https://doi.org/10.1056/NEJMoa070804
  5. Pio, J., Ghorashi, S., Chen, S., & Zhao, Y. (2023). Factors associated with sexual intercourse frequency in older couples: A cross-sectional study. Menopause, 30(4), 456–462. https://doi.org/10.1097/GME.0000000000002409