同棲カップルのセックスレスに悩んでいませんか?「同棲するとセックスの頻度が減る」と言われていますが、実際の平均頻度や原因、効果的な解消法を知ることで関係改善のヒントが見つかるかもしれません。
本記事では、同棲カップルのセックスレスの実態、頻度の平均値、なぜ同棲でセックスの回数が減るのか、そしてパートナーと向き合いながら解決する方法をデータに基づいて解説します。
同棲カップルのセックスレスとは?定義と実態調査
- セックスレスの定義と日本における現状
- 驚きの調査結果:同棲よりも別居カップルの方がセックス頻度が高い理由
- 参考:日本家族計画協会の調査データと論文「Sexual Frequency and the Stability of Marital and Cohabiting Unions」
セックスレスの定義と日本における現状
日本性科学会によれば、「セックスレス」とは「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上ないこと」と定義されています3。
この「セクシュアル・コンタクト」は挿入を伴うセックスだけでなく、キスやペッティング、ベッドでの裸のスキンシップなども含まれるため、広義の性的な接触が1ヶ月以上ない状態をセックスレスと捉えます3。
日本ではセックスレスが深刻な社会問題となっています。日本家族計画協会が実施した「第4回ジェクス・ジャパン・セックスサーベイ2020」によると、婚姻関係にあるカップルの51.9%がセックスレス状態にあるという結果が出ています4。
さらに2023年にレゾンデートル株式会社が20〜50代の既婚男女4,000人を対象に行った最新かつ最大規模の調査では、68.2%が「セックスレス傾向」(セックスレスまたはややセックスレスと回答)にあると判明しました4。
このうち完全なセックスレスと回答した割合は43.9%にも上り、20代から40代に限定しても大きな差はなかったことが報告されています4。
同棲カップルと既婚夫婦のセックス頻度の平均
同棲経験のある男女150名を対象としたアンケートによると、同棲後にセックスの頻度が「減った」と回答した人が43%と最も多く、「変わらない」が30%、「増えた」が27%という結果でした8。具体的な頻度については、最も多かったのが「週1回」の24%で、次いで「しなくなった」が21%、「その他(3ヶ月に1回程度や月に2〜3回など)」が18%でした8。
注目すべきは、同棲カップルでも4人に1人は週3回以上セックスをしており、中には「毎日している」というカップルも3%存在するという点です8。これは同棲カップル間での性生活の頻度にかなりの差があることを示しています。
また、セックスレスの基準については、多くの人が「1ヶ月以上セックスがない状態」をセックスレスと考えていることが調査からわかっています8。
驚きの調査結果:同棲よりも別居カップルの方がセックス頻度が高い理由
興味深いことに、調査結果から「同棲していない別居中のカップルの方がセックスの頻度が多い」という事実が判明しています6。結婚している夫婦を多く含む同棲中カップルの45%はセックスレスの定義に当てはまる月1回未満のセックス頻度であるのに対し、別居カップルではより高頻度でセックスが行われているのです6。
この差が生じる主な理由としては、以下の要因が考えられます:
- 年齢要因: 同棲していないカップルは結婚前の若い男女が多く、同棲中カップルには比較的年齢層の高い夫婦が含まれています6。男性は30歳以降、性欲や勃起力を司るテストステロン量が毎年1〜2%程度低下するため、年齢を重ねるとともにセックスの頻度や回数が自然と減少します6。
- 日常化による魅力の減少: 同棲の研究によると、毎日顔を合わせる同棲カップルは「家族化」が進み、性的な存在としての魅力が薄れる傾向があります7。
- セックスの機会コスト: 別居している男性の59%が直近3ヶ月間で一晩に2回以上セックスをしているのに対し、同棲男性では19%にとどまるという調査結果もあります6。これは同棲するといつでもセックスできる状況に慣れてしまい、「また今度でいいか」という意識が生まれやすいことを示唆しています7。
- 関係の安定性との関連: 「Sexual Frequency and the Stability of Marital and Cohabiting Unions」という研究では、セックスの頻度が低いことは結婚よりも同棲関係の方が関係解消率の上昇と強く関連していることが示されています59。これは同棲カップルは(1)性的な代替パートナーを見つけるコストが低い、(2)関係を終わらせる障壁が低い、(3)性的活動への期待が高い、という特徴があるためです5。
同棲でセックスレスになる主な原因と期間の関係
- 同棲開始からセックス頻度が減少するタイミングと期間
- 年齢別に見るセックスレスの発生率と頻度の違い
- 「家族化」現象:同棲が恋人関係に与える心理的影響
- 参考:「現代日本社会におけるカップルの親密関係及び性関係とその国際比較」
同棲開始からセックス頻度が減少するタイミングと期間
同棲カップルのセックス頻度は、同棲期間によって明確な変化パターンを示します。多くの調査結果から、この変化には一定の法則性があることがわかっています。
同棲直後は、新しい生活環境への期待や高揚感からむしろセックスの頻度が増加する傾向があります。「いつでもできる」という環境の変化が、一時的にカップルの性生活を活性化させるのです。しかし、この「ハネムーン期間」は長くは続きません。
多くのカップルが同棲開始から約6ヶ月を境にセックス頻度の減少を経験し始めます4。この時期になると同棲の新鮮味が薄れ、日常生活のルーティン化が進むためです。半年が過ぎると、セックスの頻度は同棲前と同程度、あるいはそれ以下になるケースが多いという調査結果も出ています9。
同棲期間別のセックス頻度の変化を見ると、同棲1年未満では週1~2回程度の頻度を維持するカップルが多いのに対し、1~3年では月1~2回に減少し、3年以上になると月1回未満、または「ほとんどしない」というカップルの割合が著しく増加します。
年齢別に見るセックスレスの発生率と頻度の違い
年齢は同棲カップルのセックスレス率と強い相関関係があります。年齢が上がるにつれて平均的なセックス頻度は明らかに減少していきます。
特に注目すべきは、20代から30代への移行期です。調査によると、既婚男性のセックスレス傾向は20代で53.4%であるのに対し、30代では71.4%と急増します5。完全なセックスレス(全くセックスをしていない状態)に限ると、20代の25.2%から30代では41.8%へとほぼ倍増しています5。
40代になるとセックスレス傾向は74.8%、50代では80.8%にまで上昇します5。これは生物学的な性欲の減退だけでなく、仕事や子育てのストレス、生活習慣の変化など複合的な要因が影響していると考えられます。
また、週あたりの平均セックス回数も年齢とともに減少し、20代の3.5回から50代の0.8回へと大きく減少しています。この傾向は同棲カップルと既婚カップルの両方に共通して見られる現象です。
「家族化」現象:同棲が恋人関係に与える心理的影響
同棲カップルがセックスレスに陥る最も重要な心理的要因の一つが「家族化」現象です。これは、日常生活を共にすることで、お互いを「恋人」や「性的パートナー」としてではなく、「家族」や「ルームメイト」のように認識するようになる心理変化を指します。
同棲することでパートナーの日常の姿—朝の寝起き、疲れた顔、身だしなみを整えていない状態—を頻繁に目にするようになります。これにより、「ドキドキ感が減った」と感じるカップルが多く、その結果としてセックスの頻度が低下する傾向があります3。
また、互いを異性として意識しづらくなることもセックスレスの一因です4。同じ空間で生活を共にすることで、性的魅力よりも生活パートナーとしての側面が強調され、性的な視点でお互いを見る機会が減少します。
この「家族化」現象は、同棲3年目以降に特に顕著になり、完全なセックスレスへの移行リスクを高めます。一度「家族」のような関係性が確立すると、それを性的な関係性に戻すのは難しくなるため、早い段階での意識的な対策が重要になってきます。
同棲カップルのセックスレス解消法:頻度を改善するアプローチ
- パートナーとのコミュニケーション改善法
- 親密さを取り戻す:スキンシップと性的コミュニケーションの重要性
- 参考:「Dimensions of Couples’ Sexual Communication, Relationship」研究データ
- プロが教える同棲カップルのセックス頻度回復メソッド
パートナーとのコミュニケーション改善法

セックスレス解消の第一歩は、率直かつ思いやりのあるコミュニケーションです。多くの専門家や調査でも「2人で話し合うこと」が最も効果的な解消法として挙げられています34569。
大切なのは、相手を責めず「自分はどう感じているか」「どうしたいか」を素直に伝えることです。たとえば、「最近、手をつないだ時に嬉しかった」「セックスが減って寂しいと感じている」など、自分の気持ちを主語にして話す“アサーティブ・コミュニケーション”が推奨されています4。
また、相手の意見や気持ちを尊重し、「あなたはどう思う?」とフィードバックを求めることで、建設的な対話が生まれます。
直接話すのが恥ずかしい場合は、LINEや手紙など文字で気持ちを伝えるのも有効です5。
このとき、日頃から「ありがとう」「愛してる」など感謝や愛情を言葉で伝える習慣も、心理的な距離を縮める大切なポイントです67。会話は一度きりで終わるものではなく、日常的にお互いの気持ちや要望を共有し合うことで、セックスレスの根本的な解決につながります。
親密さを取り戻す:スキンシップと性的コミュニケーションの重要性
セックスレス解消には、セックスそのものにこだわらず、スキンシップや性的コミュニケーションを増やすことが効果的です68。
たとえば、手をつなぐ、ハグをする、マッサージをし合うなど、日常の中でできる小さなスキンシップを意識的に増やしましょう。
「Dimensions of Couples’ Sexual Communication, Relationship」などの研究でも、性的な話題やスキンシップが多いカップルほど、セックスレスからの回復が早いことが示されています。
また、同じ相手とのセックスがマンネリ化しやすい場合は、いつもと違う場所や雰囲気で過ごす、デートの時間を増やす、服装やメイクを変える、ローションやグッズを使うなど、ちょっとした“非日常”を取り入れるのも効果的です36。
「相手を異性として意識する機会」を意図的に増やすことが、親密さの回復につながります8。
プロが教える同棲カップルのセックス頻度回復メソッド
専門家のアドバイスや実際のカップルの声をもとに、セックスレス解消のためのステップをまとめます。
- 現状の共有と目標設定
まずはお互いの現状や気持ちを率直に話し合い、「どれくらいの頻度が理想か」「どうなりたいか」を共有します。 - 2人だけの時間を意識的に作る
仕事や家事に追われがちな毎日でも、週末だけはデートをする、夜はスマホを置いて会話するなど、2人の時間を確保しましょう7。 - 生活習慣の見直し
睡眠や食事、運動など生活リズムを整えることで、性欲や体調も改善しやすくなります3。 - 新しい刺激や変化を取り入れる
旅行や外食、サプライズなど、普段と違う体験を共有することで、お互いの魅力を再発見できます36。 - 無理のない頻度を話し合い、合意形成する
一方だけが我慢したり、無理に合わせたりするのは逆効果です。お互いが納得できるペースを一緒に探しましょう5。 - 必要に応じて専門家に相談する
どうしても解決が難しい場合は、カウンセラーや医師に相談するのも選択肢です。
セックスレスは特別なことではなく、多くのカップルが経験する課題です。
大切なのは「2人で解決しよう」という前向きな気持ちと、日常的なコミュニケーション・スキンシップの積み重ねです。
焦らず、少しずつ関係性を見直していきましょう。
同棲カップルの体験談:セックスレスを乗り越えた実例
- 「月1回未満」から「週1回」へ:頻度を回復したカップルの工夫
- 同棲5年目のカップルが実践したセックスレス脱出プログラム
- 同棲カップルが「恋人」を維持するためのバランス術
「月1回未満」から「週1回」へ:頻度を回復したカップルの工夫
同棲をきっかけにセックスの頻度が減り、月1回未満になってしまったカップルが、話し合いと工夫で週1回ペースに回復した実例は多く報告されています。
たとえば、あるカップルは「同棲後、セックスの頻度が減ったことにお互い気づいていたが、なかなか話し合うきっかけがなかった」といいます。しかし、どちらかが「最近ちょっと寂しい」と素直に伝えたことで、まずは理想の頻度について話し合うことからスタートしました3。
お互いの希望をすり合わせ、「2週間に1回なら無理なく続けられそう」と合意。さらに、「したい時ははっきり伝える」「お互いの都合が悪い時は無理しない」といったルールを設けたことで、気持ちの負担が減り、徐々に頻度が増えていきました。
また、日常生活の中でスキンシップを意識的に増やす、寝る前にハグやキスを習慣化する、週末は2人だけの時間を大切にするなど、小さな工夫の積み重ねが効果的だったという声も多く聞かれます47。
「セックスレスの原因や不安を一人で抱え込まず、パートナーと共有すること」が、頻度回復の大きな一歩となったカップルが多いようです。
同棲5年目のカップルが実践したセックスレス脱出プログラム
長期間同棲していると、どうしても「家族化」やマンネリによってセックスレスに陥りやすくなります。
5年目で完全なセックスレス状態に悩んだカップルは、まず「お互いの気持ちや希望を正直に話し合う」ことから始めました。
「もうこのままセックスしないままかも…」と諦めかけていたものの、「やっぱりパートナーと心も体もつながりたい」という共通の思いを確認できたことで、具体的な行動に移すことができたのです69。
このカップルは、毎日のスキンシップを「義務」ではなく「楽しみ」に変える工夫をしました。
たとえば、寝る前に必ず手をつなぐ、休日は一緒にお風呂に入る、記念日にはホテルに泊まってみるなど、非日常の体験を積極的に取り入れることで、徐々に親密さを取り戻していきました。
また、セックスそのものにこだわらず、「今日はハグだけでもOK」「最後までしなくてもいい」とハードルを下げたことで、プレッシャーが減り、自然と頻度が増えていったそうです10。
同棲カップルが「恋人」を維持するためのバランス術
セックスレスを乗り越えたカップルたちが共通して語るのは、「恋人らしさ」を意識的に維持することの大切さです。
同棲生活が長くなると、どうしても生活のパートナーや家族のような存在になりがちですが、「デートをする日を決める」「お互いに感謝や愛情を言葉で伝える」「時にはサプライズを用意する」など、恋人時代の気持ちを忘れない工夫が関係維持のカギとなります11。
また、セックス以外のコミュニケーションやスキンシップも大切にし、無理に頻度だけを追い求めない柔軟さも重要です。
「お互いのペースを尊重し合う」「嫌な時は無理しない」「相手の気持ちを想像し合う」など、思いやりと素直な気持ちを持ち続けることで、セックスレスだけでなく、パートナーシップ全体の満足度も高まるという声が多く聞かれます。
セックスレスの悩みは、決して特別なものではありません。
体験談から学べるのは、「一人で抱え込まず、二人で向き合うこと」「小さな変化や工夫を積み重ねること」が、関係改善の大きな一歩になるということです。
無理せず、焦らず、お互いを思いやりながら歩み寄る姿勢が、恋人としての親密さを取り戻す近道となるでしょう。
セックスレスは関係の終わり?研究から見る同棲と性生活の関連性
- セックス頻度と同棲関係の安定性の相関関係
- 参考:「The Impact of the Transition to Cohabitation on Relationship」の研究データ
- 「普通」の基準にとらわれない:カップルごとに異なる適切な頻度
- 長期的な視点で見る同棲カップルの性生活と満足度
セックス頻度と同棲関係の安定性の相関関係
「セックスレス=関係の終わりの始まり」というイメージを持つ人も多いでしょう。特に同棲カップルにとって、この懸念は重要です。「The Impact of the Transition to Cohabitation on Relationship」の研究によると、同棲開始後、一時的にセックスの頻度は増加するものの、その後、関係の質や互いへのコミットメントは低下する傾向が見られました3。
さらに注目すべきは、セックス頻度と関係安定性の相関関係です。National Survey of Families and Households(NSFH)のデータを用いた研究では、セックス頻度の低下は、結婚カップルよりも同棲カップルの方が関係解消率と強く関連していることが判明しています5。つまり、セックスレスは同棲関係においてより深刻な問題となる可能性が高いのです。
なぜ同棲カップルにとってセックス頻度がより重要なのでしょうか。研究者たちは以下の理由を挙げています:
- 同棲カップルは関係を終わらせるコスト(経済的・法的障壁)が結婚より低い
- 結婚と比べて感情的・非感情的な関係資本(共有財産や社会的認知など)が少ない
- 同棲カップルは性的活動への期待値が一般的に高い
これらの要因により、同棲関係においてはセックスがより重要な役割を担い、性生活の不満足は関係解消へつながりやすいと考えられています。
「普通」の基準にとらわれない:カップルごとに異なる適切な頻度
「私たちの頻度は普通なの?」という疑問は多くのカップルが持つものですが、「普通」という基準にとらわれることは必ずしも有益ではありません。
マイエルシーのアンケートによると、同棲カップルで最も多いセックス頻度は「週に1回」でした。しかし次に多かった回答は「最近ほとんどない」というものでした4。この大きな差は、「普通」の基準が実際には広範囲に分布していることを示しています。
重要なのは、外部の基準ではなく、カップル内での満足度です。セックスレスであっても以下の条件が満たされているなら、必ずしも問題とは言えません:
- お互いが現状に満足している(どちらかが不満を感じていない)
- コミュニケーションがきちんと取れている
- 他の形での親密さ(スキンシップなど)が保たれている
- 将来設計(子どもの有無など)について合意がある
「夫婦だから」「同棲カップルだから」といった思い込みによる「あるべき姿」より、二人にとっての最適な関係性を見つけることが大切です。
長期的な視点で見る同棲カップルの性生活と満足度
長期的な視点で見ると、セックス頻度の減少は同棲に限らず、多くの長期関係で見られる自然な現象です。研究によれば、セックス頻度の低下は関係の初期段階から始まり、同棲や結婚という形態の変化よりも、関係の継続期間そのものと強く関連しています8。
特に同棲期間が長くなると、男性と女性では関係満足度に影響する要因が異なってくることも判明しています。研究によれば:
- 男性は同棲初期の関係満足度が高く、時間とともに低下する傾向がある
- 女性は性的満足度よりも心理的な親密さが関係満足度により強く影響する6
つまり、長期的な同棲関係においては、セックス頻度だけでなく、親密さや絆の質、共有体験など、より複合的な要素が関係満足度を左右するようになります。
セックスレスが「関係の終わり」を意味するかどうかは、個々のカップルの状況、コミュニケーションの質、お互いの期待値の一致度合いによって大きく異なります。重要なのは頻度の多寡ではなく、二人が納得できる関係を築けているかどうかなのです。
まとめ:同棲カップルのセックスレス頻度と向き合い方
- セックスレスから学ぶパートナーシップの深化
- 頻度よりも質:同棲カップルの親密さを育む新しい視点
- 同棲生活を豊かにするための実践的アドバイス
セックスレスから学ぶパートナーシップの深化
同棲カップルがセックスレスに直面したとき、それは単なる性生活の問題にとどまらず、パートナーシップそのものを見つめ直すきっかけとなります。多くのカップルが「家族のような存在になってしまった」「忙しさや生活のすれ違いで気持ちが離れてしまった」と感じる一方で、話し合いや工夫を通じて関係性を再構築できたという声も多く聞かれます34。
セックスレスをきっかけに、お互いの価値観や理想の関係性について本音で語り合うことで、より深い信頼関係が生まれることもあります。時には距離を置く勇気や、現状を受け入れて新しい関係を築く柔軟さも大切です6。セックスレスを「終わりのサイン」と捉えるのではなく、「新しいパートナーシップへの第一歩」として前向きに向き合うことが、長い同棲生活を豊かにする鍵となります。
頻度よりも質:同棲カップルの親密さを育む新しい視点
「セックスの頻度はどれくらいが普通?」という疑問は多くのカップルが抱えますが、実際には「週1回」から「ほとんどしない」まで幅広いのが現実です38。大切なのは、頻度そのものではなく、二人が今の関係性に満足しているかどうかです。
専門家も「セックスライフは頻度よりも質が重要」と指摘しています5。たとえば、毎日セックスしていても心の距離があるカップルより、週1回でもお互いの気持ちが通い合うセックスをしているカップルの方が、パートナーシップは安定しやすいのです。
また、スキンシップや会話、感謝の言葉など、セックス以外の親密なコミュニケーションも関係性を深める重要な要素です。無理に頻度を増やそうと焦るより、二人にとって心地よいペースを見つけることが、長続きする秘訣と言えるでしょう。
同棲生活を豊かにするための実践的アドバイス
同棲カップルがセックスレスと上手に向き合い、関係をより豊かにするためには、次のような実践的な工夫が役立ちます。
- 本音で話し合う時間を持つ
セックスや愛情表現について、素直な気持ちを共有することで、お互いの理解が深まります39。 - 日常に変化を取り入れる
デートや旅行、部屋の模様替え、イメチェンなど、非日常の刺激を取り入れることで、マンネリを防げます6。 - 一人の時間も大切にする
同棲生活で「いつも一緒」が当たり前になると特別感が薄れます。あえて距離を置いたり、趣味や友人との時間を持つことで、お互いの存在の価値を再認識できます6。 - スキンシップや感謝を意識する
ハグやキス、手をつなぐなどのスキンシップ、そして「ありがとう」「好きだよ」といった言葉を日常的に伝えることで、心理的な距離が縮まります3。 - 無理に解消しようとしない
マンネリやセックスレスは多くのカップルが経験する「普通のこと」。焦らず、今の関係を受け入れつつ、少しずつ工夫を重ねていく姿勢が大切です6。
セックスレスは決して珍しいことではなく、同棲カップルの多くが直面する課題です。大切なのは、頻度や「普通」にとらわれすぎず、二人が納得できる関係性を築いていくこと。お互いを思いやり、日々のコミュニケーションや小さな工夫を積み重ねることで、同棲生活はより豊かで満ち足りたものになるでしょう。
参考文献
以下に、本文で引用した主要な査読済み論文をAPA形式でまとめます。
Rhoades, G. K., Stanley, S. M., & Markman, H. J. (2012). The Impact of the Transition to Cohabitation on Relationship Functioning: Cross-sectional and Longitudinal Findings. Journal of Family Psychology, 26(3), 348–358. https://doi.org/10.1037/a0028316
Yabiku, S. T., & Gager, C. T. (2009). Sexual Frequency and the Stability of Marital and Cohabiting Unions. Journal of Marriage and Family, 71(4), 983–1000. https://doi.org/10.1111/j.1741-3737.2009.00646.x
Allen, M. S., Desille-Timsit, S., & Mikolajczak, M. (2022). Dimensions of Couples’ Sexual Communication, Relationship Satisfaction, and Sexual Satisfaction: A Meta-Analysis. Journal of Sex Research, 59(1), 1-16. https://doi.org/10.1080/00224499.2021.1991990